連載 ローテクでもここまでできる! おなかのフィジカル診断塾・15
—おなかが膨満している その8—肝硬変のフィジカル—各論3 おなかばかりに気を取られてはならない!
中野 弘康
1
1大船中央病院内科
pp.967-971
発行日 2023年6月10日
Published Date 2023/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228977
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これまで3回にわたり,アルコール性肝硬変の患者さんをもとに,全身所見・局所所見に分けて,診るべきポイントを述べました.そして,背景肝の線維化が高度な,門脈圧亢進症の強い患者さんで聴取される静脈性雑音,Cruveilhier-Baumgarten murmurs(C-B murmurs)についても紹介しました.
今回は,厳密には腹部のフィジカルではありませんが,“肝硬変が内科医の病気である”ことを私自身がしみじみ感じた,忘れられない症例を紹介します.この患者さんとの出会いがきっかけで,肝硬変=全身を診ることの大切さを認識できました.私にとっては忘れられない症例です.このエピソードは『総合診療』にも以前紹介する機会がありましたので,よろしければそちらもご笑覧いただければ幸いです1).
*本論文中、関連する動画を見ることができます(公開期間:2025年6月30日まで公開)。
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