連載 ローテクでもここまでできる! おなかのフィジカル診断塾・3
—おなかが痛い その3—急性膵炎のフィジカル—“おなかのやけど”
中野 弘康
1
1大船中央病院内科
pp.981-986
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228289
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おなかが痛いシリーズも第3回に突入です.これまで,非常にコモンな急性虫垂炎,知らないと診断できない前皮神経絞扼症候群(anterior cutaneous nerve entrapment syndrome;ACNES)を取り上げてきました.第3回目は,誰もが知っている急性膵炎を取り上げます.
“急性膵炎”と聞いて先生方の頭にはどんなイメージが浮かびますか.比較的若い男性が脂汗をかきながら心窩部〜背部痛を訴えて受診する,高齢女性が心窩部痛と黄疸で受診する……などがよくあるプレゼンテーションかと思います(前者はアルコール性膵炎,後者は胆石性膵炎).このような患者さんが救急室や内科外来を受診されたら,おそらく先生方は何のためらいもなくCTをオーダーするでしょう.しかしCTがない施設でも,病歴・バイタルサイン・フィジカルを駆使して膵炎の可能性を疑うことは十分可能です.膵炎患者の重症度評価に(造影)CTは有用ですが,膵炎の臨床診断は“病歴・バイタルサイン・フィジカル”で決まりです.今回も,基本に忠実に病歴・フィジカルをフルに活用していきましょう.
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