特集 消化器病漢方治療―理論と実践
4 .実践:漢方薬治療の実際―このように治療する (2)胃食道逆流症(GERD)や嚥下障害
川見 典之
1
,
岩切 勝彦
1
1日本医科大学消化器内科学
キーワード:
胃食道逆流症
,
漢方薬
,
六君子湯
,
半夏厚朴湯
,
芍薬甘草湯
Keyword:
胃食道逆流症
,
漢方薬
,
六君子湯
,
半夏厚朴湯
,
芍薬甘草湯
pp.1387-1392
発行日 2018年9月20日
Published Date 2018/9/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000000531
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胃食道逆流症(GERD)治療の第一選択薬は「GERD診療ガイドライン2015」のなかで記載されているようにプロトンポンプ阻害薬(PPI)であるが,標準量PPIを8週間投与しても食道粘膜傷害が治癒しない,または症状の改善しないPPI抵抗性GERD患者が存在する.標準量PPIで十分な効果が得られない場合の対応の一つとして六君子湯の追加投与がある.六君子湯はこれまで上部消化管のディスペプシア症状に対する有効性が報告されているが,GERDに対する効果も基礎的・臨床的研究により明らかになってきている.また器質的疾患のない咽頭つかえ感に対する半夏厚朴湯,食道の痙攣様収縮や強収縮が原因の嚥下障害に対する芍薬甘草湯の有効性についても報告されており,さらなるエビデンスの集積が必要である.
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