連載 続・ケースレポートを書こう! “論文の軸の設定”トレーニング・7
難治性吃逆をきたした87歳男性〜ある疾患の新規な症状・所見・経過〜
八幡 晋輔
1
,
見坂 恒明
2,3
1兵庫県立はりま姫路総合医療センター総合内科
2兵庫県立丹波医療センター地域医療教育センター
3神戸大学大学院医学研究科医学教育学分野地域医療支援学部門
pp.1379-1383
発行日 2022年7月10日
Published Date 2022/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228383
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今回は,ケースレポートにできる症例(①ある疾患の新規な症状・所見・経過,②ある薬剤の新規な副作用・薬剤相互作用,③2つの疾患間に予想外の関連性,④ある疾患の新規な診断方法,⑤ある疾患の新規な治療方法,予想外の治療効果,⑥稀もしくは新規の病気・病原体)のうち,①に該当する症例を提示する.1つの症例だけで疾患と症状の関連性を断定することは困難であり,ともすれば“偶然”で片付けられ,せっかく頑張って作成したケースレポートがお蔵入りしてしまうということをよく耳にする.今回は比較的よくある疾患に,これまであまり関連性が示唆されていない症状がみられた場合に,“論文の軸”を意識しながら,どう論文化すればよいか学んでほしい症例である.
では,次の症例提示1)を読んで,第1新規性,第2新規性(または臨床的有用性)について考えてみよう.
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