特集 抗菌薬の使い方—敵はコロナだけにあらず! 今こそ基本に立ち返る
微生物サイドから考える抗菌薬の使い方
<グラム陰性球菌>
ナイゼリア属—Neisseria meningitidis, Neisseria gonorrhoeae
大路 剛
1
1神戸大学大学院医学研究科微生物感染症学講座感染治療学分野
キーワード:
エクリズマブ
,
4価髄膜炎菌ワクチン
,
性行為感染症
Keyword:
エクリズマブ
,
4価髄膜炎菌ワクチン
,
性行為感染症
pp.1076-1079
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402228308
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Point
◎ヒトに感染症を起こすグラム陰性球菌のなかでも淋菌と髄膜炎菌はいずれも病態として播種感染症を起こすことが特徴である.
◎いずれも免疫正常者であっても播種感染症を起こしうるが,髄膜炎菌では特に補体機能の欠損が播種感染症のリスクを上げる.
◎髄膜炎菌は発症者への曝露後には抗菌薬予防が有効であり必ず考慮すべき.
◎髄膜炎菌予防のためのワクチンは血清群A,C,Y,Wをカバーする4価ワクチンと血清群Bをカバーする1価ワクチンがある(2022年4月現在日本未承認).
◎淋菌感染症は性行為感染症(STD)の一種であり,必ず他のSTD合併について検査を考慮すべき.
◎淋菌の耐性化は日本でも進んでいる.一方,セフトリアキソン耐性の報告は非常に稀であるが,注意が必要である.
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