臨床検査のピットフォール
Neisseria meningitidisの同定—非病原性Neisseria属菌との鑑別
中山 麻美
1
1山形大学医学部附属病院検査部微生物検査室
pp.60-63
発行日 2021年1月1日
Published Date 2021/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208237
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
Neisseria meningitidis(髄膜炎菌)による感染症は,年間20〜40例程度とわが国ではまれであるが,2011年に宮崎県の高校寮で集団感染した事例1)や2015年に山口県で開催された世界スカウトジャンボリーに参加した4名(北スコットランド隊の3名とスウェーデン隊の1名)に発症した事例1)は記憶に新しい.
感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)において侵襲性髄膜炎菌感染症は5類感染症(全数把握対象)に定められている.したがって,髄液や血液などの無菌部位から検出された場合は,直ちに報告することが義務付けられている.また,濃厚接触者には予防内服が推奨されているため,治療のみならず感染管理の面でも,迅速かつ正確に菌種の同定を行うことが,われわれ臨床微生物検査技師に求められる.そこで,本稿ではN. meningitidisの同定ポイントについて解説する.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.