特集 その考えはもう古い!—最新・感染症診療
コラム
5 Days:感染症教育を1週間で
伊東 完
1
1筑波大学附属病院病院総合内科
pp.641-643
発行日 2021年4月10日
Published Date 2021/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227590
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古武術の世界に“相心”という剣技がある.自分と相手が同じ戦略を元に,螺旋の足さばきで斬り結ぶ.この美しい剣技は,互いの気の流れが同調していなければ決して成立することのない,洗練された武士の嗜みである.教育も同様,教える側と教えられる側の意気の投合が理想的である.そのためには,まず教える側が「教え育む」という意識を捨て1),共に学ぶつもりで講義に臨むとよい.
教えられる側が楽しく学ぶには,教える側も楽しむ必要がある.教える側は,知識だけでなく知識に対する独自の解釈をもち,その解釈が誤っていないことを,知識をアップデートしながら絶えず確認し続けていかねばならない2).畢竟,1つの知識を伝えるには10の背景知識が必要になる.ただし,自身のもつ“10の知識”を一度に伝えてもいけない.この加減,つまりは相手への思いやりが,講義での意気投合には不可欠である.
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