特集 循環器診療2020—どこまで攻めて,どこから引くか?
扉
香坂 俊
1
1慶應義塾大学医学部循環器内科
pp.1633
発行日 2020年9月10日
Published Date 2020/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227161
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
循環器領域ほどカラフルな選択肢を提示する領域は珍しいのではないか.ただ,選択肢が多彩であるからといってそれらすべてを選ばなくてはならないということではない.たとえば冠動脈に対するカテーテルインターベンション(PCI)は素晴らしい技術であるが,ここ10年来エビデンスの集積によって,冠動脈に狭窄があったとしても症状が安定していれば安定狭心症に対する適応はかなり「限定的」であることがわかってきた.また投薬に関しても,ランダム化研究(RCT)の結果をそのまま鵜呑みにして,いくつもの薬剤を加算的に使用していくやり方から,近年は状況によっては薬剤を「絞る」という方向に舵が切られつつある.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.