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総論
polyclonal ganmmopathyは多クローン性のγグロブリンを認める状態である.血清総蛋白(total protein:TP)の正常値は6.5〜8.0g/dLで約65%がアルブミン(Albumin:Alb),約35%がグロブリン,約20%がγグロブリンである.正常ではTP 6.5g/dL,Alb 4.3g/dL,γグロブリンは1.3〜1.6g/dL程度となる.例えばTP 7.6g/dL,Alb 2.2g/dLのときは蛋白とアルブミンが乖離しており,γグロブリンが上昇していることが予想される.次に判断するのは上昇しているγグロブリンが多クローン性(polyclonal)か単クローン性(monoclonal)かである.
検査としては蛋白分画/血清蛋白電気泳動(serum protein electrophoresis:SPEP),免疫電気泳動法(immunoelectrophoresis:IEP),免疫固定法(immunofixation electrophoresis:IFE),血清free light chainなどがある(図1).SPEPよりIEP,IFEのほうが微量なM蛋白を検出できるとされており(IEPのM蛋白の検出感度:100mg/dL,IFEの検出感度:5mg/dL),例えば多発性骨髄腫のM蛋白の感度はSPEPのみの場合82%,SPEP+血清IFEの場合93%.SPEP+血清IFE+尿IFEの場合感度97%と言われている1).血清free light chainは最も微量なM蛋白を検出可能(κ 0.15mg/dL,λ 0.3mg/L)でκ/λ比(正常比0.26〜1.65)でcheckする.筆者は多発性骨髄腫などを強く疑うときはSPEPに加えて血清/尿のIEPやIFEもするが,あまり疑わないときはSPEPのみ(早く結果が出て安い)にしている.
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