特集 教えて! 健診/検診“ホントのところ”—エビデンスを知り,何を伝えるか
健診でよく実施される項目
腹部エコー
小川 眞広
1,2
1日本大学病院消化器内科
2日本大学病院超音波検査室
キーワード:
超音波スクリーニング検査
,
脂肪肝
,
腹部超音波検診判定マニュアル
Keyword:
超音波スクリーニング検査
,
脂肪肝
,
腹部超音波検診判定マニュアル
pp.900-907
発行日 2020年5月10日
Published Date 2020/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226992
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Point
◎任意型検診として行われる腹部エコーは,被検者(依頼者)との契約によって検査対象が決まるため,一概に標的臓器を規定できない.
◎健康診断で行われるエコーでは癌検診と異なり,癌以外の,生活習慣病のリスクにつながる慢性疾患の拾い上げも重要な役割となっている.
◎近年,脂肪肝のリスクが見直され,早期からの適切な治療介入が望まれている.
◎特に喫煙歴のある男性では,エコーによる腹部大動脈瘤のスクリーニングが推奨される.
◎3学会合同で発表した『腹部超音波検診判定マニュアル』の導入により,腹部エコーによる膵癌発見率は上昇したが,エコーによるスクリーニングで罹患率や死亡率が改善したというエビデンスは現時点で存在しない.
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