特集 今の流れに乗り遅れない!—プライマリ・ケアでの呼吸器疾患の診かた・薬の使いかた
肺抗酸菌症診療—ここがポイント
知っておくべき結核治療
南宮 湖
1
1米国国立衛生研究所
1Laboratory of Clinical Immunology and Microbiology(LCIM), National Institute of Allergy and Infectious Diseases, National Institutes of Health
pp.78-83
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402226669
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Point
◎日本の結核罹患率は減少傾向にあるが,世界的には,「中蔓延国」に位置づけられている.
◎結核を疑った際には喀痰の抗酸菌検査を3回提出し,感染性の確認を行う.
◎初期強化時期の2カ月間はリファンピシンもしくはリファブチン,イソニアジド,ピラジナミドの3剤と,エタンブトールもしくはストレプトマイシンいずれかの1剤を投与し,維持期の4カ月間はイソニアジドとリファンピシンを継続することが,肺結核治療の原則である.
◎肺結核のよりよい治療のためには,薬物治療だけでなく,保健所との連携を含めた包括的なアプローチが重要である.
◎免疫抑制薬や抗がん剤などの多くの新規治療薬が登場するなかで,潜在性結核感染症の治療適応を知ることが重要である.
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