書評
—堀 進悟 監修 佐々木淳一 編—救急レジデントマニュアル—第6版
松嶋 麻子
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1名古屋市大大学院・先進急性期医療学
pp.2046
発行日 2018年11月10日
Published Date 2018/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225907
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約5年ぶりに改訂された『救急レジデントマニュアル 第6版』は第5版より約60ページも多い578ページに救急診療で必要な知識がコンパクトにまとめられています.救急診療に必要な知識は日々増大しており,これを白衣のポケットに入るサイズに収めることは大変なご苦労がおありだったと思いますが,救急の現場を知り,そこに必要なマニュアルとしてまとめてくださった監修の堀進悟先生,編集の佐々木淳一先生の熱意にあらためて感謝いたします.
『救急レジデントマニュアル』は初版より,救急外来診療中に白衣のポケットから取り出して診療を「確認する」ことを目的に作成されています.レジデントから救急科の専門医まで,救急診療を知っている,理解している医師がすぐに見直せるマニュアルとしてどこの救急外来にも必ず1冊は置いてあることでしょう.第6版では,掲載される内容が多くなった分,各項,特に各論の部分についてはさらにコンパクトにエッセンスに絞った記載が行われています.このため,救急診療を学び始めた初期研修医にとっては「なぜ」「どうして」という記載がないため,この本のみを頼りに救急診療を行うことは危険です.初期研修医の方々には成書や自分にとってわかりやすい本で救急患者の「なぜ」「どうして」に目を向け,考えるトレーニングを積んだ上で救急診療に向き合っていただきたいと思います.
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