書評
―相川直樹 監修 堀 進悟,藤島清太郎 編―救急レジデントマニュアル―第5版
林 寛之
1
1福井大病院・総合診療部
pp.819
発行日 2014年5月10日
Published Date 2014/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402107565
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既に20年! も研修医や実地医家に愛され続けられたのには訳がある.今の研修医が生まれる前からあったんだよね(ウソ).5年ごとの改訂でついに20年.常に最新の内容に改編し続けた執筆陣のご苦労は並々ならぬものであっただろう.
昔の当直は行き当たりばったりで目の前の患者が来たら先輩医師の見よう見まねで患者さんを診察するという徒弟制度でしか学べなかった.つまり「救急なんて誰でもできるさ(……多分)」と強がりつつ,実はきちんとしたマニュアルがなく,常に当直はビクビクもので,「一晩乗り切れさえすればいい」と考える浅~い『なんちゃって救急』の時代だった.そこできちんとした型を教え,かつ現場で使えるように,広範囲の知識をギュウギュウ詰めにして登場したのが本書であった.私も同僚もみんな白衣のポケットに入れていました.本書は治療まで細かく言及して,かつ広範囲のエッセンスをアップデートしつつ盛り込んでいたので,専門外でもなんとか急場をしのがないといけない当直医にとってはそれはもう重宝した.
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