書評
—大村和弘,川村哲也,武田 聡 編—専門医が教える—研修医のための診療基本手技
徳田 安春
1
1群星沖縄臨床研修センター
pp.1356
発行日 2018年8月10日
Published Date 2018/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402225750
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総勢49名の各科専門医が研修医にとって特に必要な診察手技を書いた,という本です.病棟や救急室で必要とする診察手技は網羅していることが特徴です.冒頭の「医療面接」のチャプターは,病歴聴取や診療録の記載の仕方の基本,温度表,小児の診察などが網羅されているだけでなく,これからプロフェッショナルとして成長していく研修医にとって重要な事項もカバーしています.プロフェッショナリズムやフィードバック,臨終の立ち会いかたなどの項目です.
さらにはコラムとして,臨床倫理コンサルテーションや事前指示,アドバンス・ケア・プランニングなどの具体的なやりかたについて学習することができます.超高齢社会に直面している日本では,全ての医師が,事前指示やアドバンス・ケア・プランニングについての理解と実践方法を身につけることが求められています.2年間もの激しい心理的および肉体的ストレスにさらされる研修医には,ストレスコーピングについての項目は大きな助けになるに違いないと思います.
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