連載 いま知りたい 胃炎の診かた・5
臨床現場からみた胃炎とは?
増山 仁徳
1
,
春間 賢
2
,
鎌田 智有
3
,
大和田 進
4
1増山胃腸科クリニック
2川崎医科大学総合内科学2教室
3川崎医科大学健康管理学
4アスクオオワダ
pp.548-551
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224664
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Helicobacter pylori(H. pylori)感染胃炎の除菌療法は2013年2月に保険適用となり,「胃炎=H. pylori感染胃炎」を意味するようになった.H. pyloriの感染診断や除菌療法を行うためには,内視鏡によるH. pyloriの感染診断が求められている1).本稿では,臨床現場において内科医や研修医が胃炎について知っておくべきポイントを「胃炎の京都分類」(表1)2)に沿って概説する.
内視鏡で胃内を観察する際は,悪性疾患を見逃さないことはもちろんであるが,「H. pylori未感染胃粘膜」「H. pylori現感染胃粘膜」「H. pylori既感染胃粘膜(除菌後あるいは高度萎縮による菌の自然消失)」の診断,および「薬剤による胃粘膜変化」の合併の確認と「発癌のリスクを胃粘膜から判断」することが重要である.実臨床では,問診を含めた患者との会話からどのような胃炎,どのような胃粘膜の状態かを推理することから始まる.
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