書評
—金城光代・金城紀与史 監訳—メキメキ上達する—頭痛のみかた—よく遭遇する悩ましい症例から,ピットフォールが浮き彫りに!
野口 善令
1
1名古屋第二赤十字病院総合内科
pp.509
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224655
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頭痛のシャーロックホームズになろう!
頭痛は,頻度の高い症状である.日本の疫学調査では,一般地域住民の約40%が何らかの頭痛に悩む「頭痛持ち」といわれている.これらの人々が皆,医療機関を受診するわけではないにせよ,一般外来受診患者で頭痛を主訴とする患者は10%前後とされ,非常に多い.さらに,救急診療では,慢性頭痛以外にも急性頭痛の問題が加わる.プライマリ・ケア医,総合診療医,救急医はもとより,極専門的な分野に特化したスタイルで診療しているのでない限り,臨床医は頭痛の診療からは逃れられない.
そんな臨床医にお勧めの本書には,症候的な特徴からどんな頭痛(診断)を疑ったらよいのかが,よく嵌まってしまうピットフォールとともに,解説されている.構成は,症例の病歴が示され,そのなかで眼をつけるべき手がかりは何かが,詳しくかつわかりやすく述べられている.第1章は,まず良性頭痛から.内容をひと言で言えば「片頭痛か,緊張型頭痛か.それが問題だ」.なんといってもこの2つの頻度が圧倒的に高いのだから.第2章:一次性(器質的原因のないもの)と二次性頭痛(器質的原因による)の区別,第3章:危険な頭痛の見逃し,と続く.
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