書評
—北薗英隆 監訳—シュロスバーグ結核と非結核性抗酸菌症—Tuberculosis and Nontuberculous Mycobacterial Infections, 6th ed
清田 雅智
1
1飯塚病院総合診療科診療部
pp.465
発行日 2017年3月10日
Published Date 2017/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224644
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Mayo Clinicの感染症科に留学した際に,感染症の分野にはいろいろな成書が存在することを知った.“Mandell”は巷間認めるところであろう.この本が感染症一般を扱っているのに対し,さらに細分化した領域を扱う専門書が存在する.例えば,院内感染症であれば“Mayhall”が挙げられる.一方,抗酸菌感染症では本書が該当する.結核,非結核性抗酸菌症(nontuberculous mycobacterium:NTM)で悩むことがあるのなら,是非とも“Schlossberg”を紐解くべきである.
結核なんてと思ってはいけない.疫学的に人口10万人あたり10人以下の発症が,結核の低蔓延国とされる.日本のデータは,WHO Global Tuberculosis Report 2016で現在17人である.1977年頃までは100人以上の高蔓延国であったので,当時までに結核に暴露された高齢者が,免疫の低下に伴い再活性化する恐れが十分あり,結核はこれからも忘れることはできない感染症である.
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