『ジェネラリストのための内科外来マニュアル』―金城光代，金城紀与史，岸田直樹（編）

　序文の冒頭に「総合内科外来は難しい」とある．同感である．患者が持ち込む訴え，悩みを切り分けて診断しなければならない．特に見逃すとアウトカムが悪くなる重大な疾患を見逃して患者の余命を縮めるようなことがあってはならないし，医学的に解決できることは解決しなければならない．

　自分の経歴を思い起こすと正式に外来教育を受けることもなく，なんとなく見よう見まねで自己流の外来診療をやっていて，そのうちに個別の疾患についていくら勉強しても，患者の訴えを解決できないという壁に突き当たった．当時は，症候から鑑別診断を考え体系的にアプローチするという発想がなかったから当然であろう．