特集 肺炎への最新アプローチ—ジェネラリストの立場とスペシャリストの視点から
扉
関 雅文
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1東北医科薬科大学病院感染症内科
pp.7
発行日 2017年1月10日
Published Date 2017/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224537
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肺炎は,いよいよわが国の死因の第3位となり,超高齢社会を迎えた昨今では,誤嚥性肺炎をはじめとして,一般診療でも避けては通れない疾患群です.肺炎に対しては,従来の市中肺炎や院内肺炎のほか,医療・介護関連肺炎(NHCAP)の概念も登場したため,その対応,すなわち治療および予防の重要性から,両者のバランス,そしてワクチンや口腔マネジメントも含めた具体的アプローチの探求が,医師以外の各職種も巻き込んで進められてきています.
一方,比較的若年者における重症肺炎へのアプローチも重要です.例えば,インフルエンザに関連した2次性細菌性肺炎の重症化が改めて知られるようになってきましたが,抗菌薬以外での対応,すなわちステロイドや抗凝固薬,ICUでの呼吸管理も含めた多角的かつ集学的な治療戦略が必要であることは,現場の医師が強く感じていることです.このように,肺炎はきわめてジェネラルな疾患であるとともに,その診療においては,スペシャリストによる的確かつ迅速な対応が求められてきていると言えます.
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