書評
—岡 秀昭 著—感染症プラチナマニュアル2016
徳田 安春
1
1総合診療医学教育研究所
pp.1289
発行日 2016年7月10日
Published Date 2016/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224298
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「エルゴノミクス的にも正しいマニュアル」
スマホを世に出したアップル社の故スティーブ・ジョブス氏は,スマホのサイズは縮小に向かうだろうと予言した.その予言通り,2016年に登場した最新のiPhoneの三次元構造は最小のものとなった.実は,ジョブスの予言はエルゴノミクス(人間工学)的に正しいということが証明されている.エルゴノミクスは,「人間にとっての使いやすさ」という視点から,装置や機械などのデザインを研究する学問.その目的は,疲れやストレスをなるべく感じずに人間がモノを扱えるようになること.長時間の同一動作は関節や腱,筋肉などに影響を及ぼすことがあり,モノのデザインもその影響に関係する重要な因子なのだ.エルゴノミクスの最新研究では,素早く片手で操作できて,親指でタップしても落下しないサイズのスマホが理想的としている.
そんな中,日本の診療マニュアル界で旋風を巻き起こしているこの「プラマニュ」を使いながら,ジョブス氏の予言を思い出した.日常の感染症診療について調べたいときに,数秒以内に素早く片手で操作できて,親指でもページをめくることができる.多忙な臨床医にとってはエルゴノミクス的にもありがたいマニュアルである.
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