書評
—川村 隆之,三村 一行 著—発熱診療プラチナマニュアル
森 伸晃
1
1昭和医科大学医学部内科学講座臨床感染症学部門
pp.97
発行日 2026年1月10日
Published Date 2026/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.002576990630010097
- フリーアクセス
- 文献概要
- 1ページ目
診断の「型」と「思想」を学ぶ,全医師必携の一冊
発熱診療は,医師であれば誰もが日常的に直面するにもかかわらず,その「型」や「診断ロジック」を体系的に学ぶ機会は驚くほど少ないのが現状です.私は総合内科での研鑽を経て感染症専門医として勤務していますが,本書を手に取り,これまで現場で培ってきた診断の考え方や知識が,明快にそして体系的に言語化されていることに感動しました.これ一冊で発熱診療の本質を学べる若手医師たちが,心から羨ましく感じます.
発熱診療の現場では,ときに安易に多くの検査がオーダーされがちです.しかし,往々にして検査を出しても診断にたどり着くことはなく,むしろその結果に惑わされてしまうリスクを伴います.本書が貫く重要な思想は,「検査前確率を見積もり,適切な診断ロジックに基づき仮説を立てる」という,診断学の根幹です.闇雲な検査の前に立ち止まり,病歴聴取と身体診察から鑑別を絞り込む思考プロセスを,本書は明確に示してくれます.

Copyright © 2026, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.

