連載 診断力を上げる 循環器Physical Examinationのコツ・12
連続性雑音の聴きかた—連続性雑音はⅡ音をまたぐ
山崎 直仁
1
1高知大学医学部附属病院 老年病科・循環器科
pp.541-547
発行日 2016年3月10日
Published Date 2016/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402224011
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
- サイト内被引用
連続性雑音は,収縮期から拡張期にかけて,Ⅱ音を越えて連続的に聴取される雑音と定義される.雑音がⅡ音をまたぎさえすれば連続性雑音であり,必ずしも収縮期─拡張期を通じて途絶えることなく聴こえ続ける必要はない.英語でいうと,連続性雑音は“Murmurs that never end”ではなく,“Murmurs that go beyond the second heart sound”ということになる.
連続性雑音は図1に示すように①狭義の連続性雑音と②収縮期横断性雑音の2種類に分けられる1).①狭義の連続性雑音は収縮期─拡張期を通じて連続的に聴こえ,高圧─低圧シャントが存在するときに聴取される.②収縮期横断性雑音(transsystolic murmur)は収縮期を横断しⅡ音をまたぐが,拡張期後半には雑音は消失している.このタイプの雑音は血管に高度の狭窄病変があるときに聴取される.
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.