連載 診断力を上げる 循環器Physical Examinationのコツ・2
頸動脈の診かた—大動脈弁狭窄症では頸動脈の触診で遅脈,小脈を触れる
山崎 直仁
1,2
1高知大学医学部附属病院老年病科
2高知大学医学部附属病院循環器科
pp.986-991
発行日 2015年5月10日
Published Date 2015/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223524
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頸動脈診察で何がわかるか
頸動脈の触診により,左室の収縮性,左室からの前方拍出量に関しての情報が得られる.また,頸動脈の触診は,大動脈弁狭窄症(AS),大動脈弁逆流症(AR),閉塞性肥大型心筋症(HOCM)の存在を疑うきっかけになる.ASとHOCMは心雑音だけからは鑑別に悩むことがあるが,頸動脈の触診所見には大きな違いがあり,両者の鑑別に有用である.また,頸動脈の聴診で頸動脈雑音bruitを聴取すれば,頸動脈狭窄を疑うきっかけになる.
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