特集 がんを診る
一般内科医が知っておくべきがん薬物療法のマネジメント
好中球減少症のマネジメント—G-CSFの適正使用
内野 慶太
1
1国立病院機構九州医療センター腫瘍内科
pp.508-511
発行日 2015年3月10日
Published Date 2015/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223162
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ポイント
●本邦のG-CSF適正使用ガイドラインの一次予防的投与,二次予防的投与,治療的投与についての記載は,海外のガイドライン,国内外の最新のエビデンスに基づき,2013年に改訂された.それぞれに定義づけを行い,投与目的を明確化した.
●一次予防的投与は発熱性好中球減少症(FN)発症率による推奨基準を示し,20%以上の発症率に対する抗がん薬治療の際の使用を強く推奨し,それ未満は一部の患者のみ使用を推奨した.
●二次予防的投与に関しては,抗がん薬の減量やスケジュール変更を行うことが望ましくない患者に対してのみ,治療強度を維持する目的での投与を推奨した.
●治療的投与は基本的にルーチンの投与を勧めていないが,FNの際はリスクに応じて検討する必要がある.
●本改訂は決して使用を制限するものではなく,患者個々の多様性とエビデンスの双方を考慮しながら,実地臨床においてG-CSFが適正に使用されることを期待している.
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