内科疾患と皮膚・9
爪の変化と内臓病変
西山 茂夫
1
1東大皮膚科
pp.1205-1208
発行日 1968年10月10日
Published Date 1968/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223075
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皮膚の付属器の1つとしての爪の変化には,1)内臓疾患によるもの(たとえば匙状爪,ヒポクラテス爪など),2)皮膚疾患の部分現象として生ずるもの(たとえば爪の白癬,乾癬に伴う爪の変化など),3)外胚葉性(まれに中胚葉性)の畸型に伴うものがある.そのほか生理的な老人性変化(たとえば爪の縦のたかまり,爪の肥厚など)も理解する必要がある.
爪に変化を及ぼす全身性の影響には,広い意味での末梢循環障害と内分泌異常とがあり,爪の発育に重要な爪母または爪床に変化を与え,したがって爪甲が二次的に変化するのがふつうである.しかし,爪の変化の発生要因には不明の点が多く,内臓病変との直接の因果関係を確定できないことが少なくない.次に内臓病変の道しるべとなりうる若干の爪変化について簡単に述べる.
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