今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989
トピックス
凝固亢進状態の診断
中川 雅夫
1
,
宇野 雅史
1
1京都府立医科大学・第2内科学教室
pp.2322-2325
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222924
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凝固亢進状態は,DICをはじめ各種血栓症の発症・進展過程における共通の要因として重要と考えられている.これまでin vivoにおける凝固亢進状態を把握する目的で種々の凝血学的指標が検討されてきたが,いずれも鋭敏性および迅速性に乏しかった.近年,血液凝固に関する研究においてもmonoclonal抗体をはじめとする分子生物学的手法が導入され,凝固・線溶の進展過程において産生される種々の分子マーカーを検出することにより,従来把握の困難であった凝固亢進状態を早期かつ鋭敏に検出することが可能となりつつある.
このような血液凝固の研究における進歩に基づき,昨年,厚生省血液凝固異常症調査研究班によるDIC診断基準が改訂され1),DIC診断のための補助基準として種々の分子マーカーが新たに採用されている.
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