今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989
トピックス
細胞内の抗凝固蛋白質—カルシウムイオン依存性の酸性リン脂質結合蛋白質
藤川 和雄
1
1日本チバガイギー(株)・国際科学研究所・生物有機化学部
pp.2326-2327
発行日 1989年11月10日
Published Date 1989/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222925
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正常の血管内皮細胞は,凝固反応を促進しない.しかし,細胞損傷によって破壊された血管内皮細胞表面には,血小板が凝集し,続いて血塊を形成する.内皮細胞表面に存在するヘパリン様物質やトロンボモジュリンは凝固反応を抑制していると考えられるが,ここに述べる抗凝固蛋白質(以下,PAPと略)は主に細胞内に存在し,凝固反応の要素である酸性リン脂質に強く結合し,凝固反応を抑制する細胞性の抗凝固因子と考えられる.
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