増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
血液化学検査
138.ロイシンアミノペプチダーゼ(LAP)
村井 哲夫
1
1筑波大学医療技術短期大学部
pp.1964-1965
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222827
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血清中LAP活性の臨床的意義を最初に報告したFleisher(1957)らは,L-ロイシルグリシンを基質とする測定法で,急性肝炎患者の血清中LAP活性が著明に増加することを指摘した.しかし,彼らの方法は測定法が複雑なため普及しなかった.一方,Green(1955)らは,新しい基質としてロイシル-β-ナフチルアミドを合成し,比色法による簡便な測定方法を発表した.Goldbarg(1959)らは,本法によって測定される酵素活性の増加は種々の原因による肝胆道の閉塞時に共通して上昇を認めると報告した.以来,本法により測定される酵素が"LAP"として臨床診断に広く利用されるようになった.この時期に"LAP"として臨床診断に用いられている酵素は,大きく分けて2種類の酵素からなり,とくにGreenらの方法により測定される酵素活性の主要な部分は,m-LAPであることが明らかにされるべきであった.
一方,胎盤機能検査法として利用されているCAPもまた,"LAP"活性の測定に利用される合成基質を水解するため,妊娠でも"LAP"が増加するとされてきた.
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