臨時増刊特集 これだけは知っておきたい検査のポイント 第3集
Ⅷ.血液化学検査
135.LAP(ロイシンアミノペプチダーゼ)
菅野 剛史
1
Takashi Kanno
1
1浜松医科大学付属病院・検査部
pp.2422-2423
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219456
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ヒトの血漿中には数多くのアミノペプチダーゼ(AP)が存在する.この中で我々が日常検査で測定しているAPは,少なくとも2種,測定条件,または病態によっては3種のものを指すことになり1).臨床的にはこれを区別して測定すべきであり,また自分の用いている測定法はどれかによって評価を若干変える必要があると思われるので,ここで整理することとしたい.
表に血漿中に存在し,日常分析で測定されるAPを示した.可溶性AP(C-LAP,EC 3,4,11,1)は細胞可溶性分画に多量に含まれ,基質としてロイシンアミドを用いる方法で測定可能となる酵素である.ミクロゾームAP(m-LAP,EC 3,4,11,2)は膜結合酵素であり,何らかの機序で血中に存在する酵素で,日常分析では合成基質を用いるとC-LAPがごくわずかしか測りこめないので,比較的選択的に測定されている酵素である.古くから臨床的にはLAPと呼ばれていたが,慣用名であり厳密には問題がある.胎盤由来の酵素は,LAPとは区別するものであるが,合成基質,ロイシンアミドいずれを用いても測定されるので,LAPの上昇として観察されるが,妊娠時のこの酵素の上昇は別に評価すべきである.したがって,以下にはC-LAPとm-LAPについての臨床的評価を中心にまとめることとする.
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