増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集
免疫血清検査
76.モノクローナル抗体を用いた白血球表面マーカー
伊藤 忠一
1
,
金沢 裕子
2
1岩手医科大学・臨床検査医学
2岩手医科大学中央臨床検査部
pp.1806-1807
発行日 1989年9月10日
Published Date 1989/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222765
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- 文献概要
●白血球膜抗原(表面マーカー)に対するモノクローナル抗体(MoAb)
従来,白血球に関する臨床検査は顕微鏡で観察し,数を算定したり,あるいは形態や染色性などの所見から細胞を同定するということに限られていた.しかしこれらの臨床情報は主観的であり,またしばしば不完全でもあった.ところが1970年代後半より細胞融合技術を用いることによって,白血球などの膜抗原に対するMoAbが作られ始め,これらを利用することによって白血球を機能を異にする亜分画に分別して定量したり,細胞由来や分化段階を同定することが可能になってきた.
現在までに作製されてきたMoAbは膨大な数にのぼるが,「ヒト白血球の分化抗原に関する国際ワークショップ」で検討され,CD分類法によって表示されている.すなわち,同一特異性を有するMoAbによって認識されるエピトープをClusterof differentiation antigenの略語CDを冠した番号で示すという統一命名法が決定された1).表1に主なる膜抗原のCD番号,分布や,それを認識するMoAbを示した.
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