今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
皮膚科
脱毛
井上 かがね
1
1日本医科大学第一病院・皮膚科
pp.772-773
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222441
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脱毛症とは,本来,正常に存在していなければならない毛が,部分的あるいは全体として欠くか,または毛の数や太さが減少して粗になった状態をさす.ヒトにおける毛の成長は,毛包のひとつひとつが異なる周期(mosaic type)を持ち,またその毛の毛周期(hair cycle)によって,毛の数は一定に保たれている.しかし,毛周期の長さは身体各部によって著しく異なっている.頭毛においては成長期(anagen)が2〜6年,中間期(catagen)は2〜3週間,休止期(telogen)は3〜4カ月といわれている.頭毛の数は約10万本といわれており,1日50〜100本ぐらい抜けても生理的と考えられるが,この範囲を越えると毛の存在が疎となり脱毛症といわれる病的状態となる.
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