今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
眼科
眼科プライマリ・ケアのオリエンテーション
麻薙 薫
1
1千葉大学医学部・眼科
pp.774-775
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222442
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われわれは感覚器官を通して,外部からさまざまな情報を取り入れるが,視覚情報はその約80%にも当たり,また大脳皮質の約3分の2以上を視覚情報の処理に当てているとも言われている.その視覚情報は精密な光学的器官である眼を通して入力される.
眼瞼,結膜などの外眼部は眼球の保護を主としてあづかり,容易に視診できる.さらに外界の像あるいは光が通過して網膜に結像するまでの経路,角膜,前房,瞳孔,水晶体,硝子体そして網膜も透明であるため,専門医は特殊光学機器を駆使し,客観的に疾患の局在を診断することができる.しかし眼球より視覚中枢までの伝導系は直接には観察できず,視力,視野に代表される自覚的検査に加えて,視覚誘発電位などの電気生理学的検査,X線CT検査,MRI検査などの画像診断が必要である.
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