今月の主題 内科医のための他科疾患プライマリ・ケア
Editorial
プライマリ・ケアとは
福井 次矢
1
1佐賀医科大学・総合診療部
pp.722-723
発行日 1989年5月10日
Published Date 1989/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222421
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1973年に日野原重明先生がプライマリ・ケアという言葉を公にわが国に導入されてから,既に16年の歳月が経つ.この間,プライマリ・ケアの内容や定義をめぐって,医師や医療関係者の間に幾許かの混乱や誤解があり,臨床医学教育上のプログラムや医療制度へのプライマリ・ケアの表立った組み入れは,遅々として進まなかったのが実情と言えよう.
プライマリ・ケアとは何かについては,1969年にファミリー・メディスンが20番目の専門医として認定され,1974年頃からはプライマリ・ケア内科(一般内科)の臨床教育プログラムが既に始められていた米国でさえ,1978年の時点で38もの定義があったという.
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