講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・9
急性心筋梗塞
落合 正彦
1
,
山口 徹
2
1東京大学医学部・第1内科
2三井記念病院循環器センター・内科
pp.2708-2714
発行日 1988年11月10日
Published Date 1988/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222210
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急性心筋梗塞(AMI)は,冠状動脈の急速な閉塞に起因する心筋壊死である.本稿ではその病態生理につき治療との関連を中心に概説する.従来のAMIに対する治療は,患者を集中治療室へ収容し,不整脈および急性期ポンプ失調による死亡を防ごうとするもので,言葉を代えていえば心筋壊死後の病態に対する治療であった.しかし,近年,血栓溶解療法,およびPTCA(経皮的冠動脈形成術)などの発達により,AMIの治療の主体は早期再灌流療法による心筋壊死の阻止へとダイナミックな転換を示した.まず冠状動脈の閉塞機転と心筋の壊死機転につき解説し,さらに再灌流療法の効用およびその限界につき論ずることとした.
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