増刊号 診断基準とその使い方
X.神経・筋
32.重症筋無力症,Lambert-Eaton症候群
高守 正治
1
1金沢大学医学部・神経内科
pp.2268-2271
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222090
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■重症筋無力症(表1)
1.疾患概念と疫学
神経筋接合部の後シナプス膜に存在するアセチルコリン受容体(AChR)に対する抗体を中心にすえた機序,すなわち,①抗体による受容体崩壊促進,②補体介在性細胞性反応,③受容体活性直接阻害によって成立する自己免疫性受容体疾患の一つであり,この病原性抗体産生の背景には,AChRで感作された免疫細胞,胸腺が重要な役割を演ずる.最近,厚生省免疫性神経疾患調査研究班でわれわれが行った疫学調査では,全国患者数約5,000〜7,000,推定有病率人口10万対5.1,調査症例の50%弱に胸腺異常,76%に抗AChR抗体陽性,99%に薬物検査陽性,81%に誘発筋電図検査陽性を認めた.
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