増刊号 診断基準とその使い方
X.神経・筋
1.Bálint症候群
服部 孝道
1
1千葉大学医学部・神経内科
pp.2199
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222059
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■疾患概念と疫学
Bálint1)が1909年に精神性注視麻痺(Seelen-láhmung des Schauens),視覚性運動失調(optische Ataxie),空間性注意障害(ráumliche Störung der Aufmerksamkeit)を有する症例の臨床病理学的所見を発表して以来,これらの3症状を有する症例がBálint症候群の名称で発表されてきた.現在では空間性注意障害は視覚性注意障害(disturbance of visual attention)と呼ばれている.Bálint症候群は非常に稀であるが,個々の症状が単独で見られることは決して稀でない.
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