増刊号 診断基準とその使い方
IX.腎・尿路
9.高P血症,低P血症
西沢 良記
1
,
森井 浩世
1
1大阪市立大学医学部・第2内科
pp.2141
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402222029
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- 文献概要
■診断基準(表1)
■概念
燐(P)は生体内で無機および有機の燐酸として存在し,骨や細胞の重要な成分として用いられる.燐酸は細胞内において高エネルギー燐酸化合物(ATPなど)としてエネルギー代謝に必須である.
P代謝の調節は,①経口摂取量,②腸管からの吸収〔1,25(OH)2D3による促進〕,③尿中排泄(PTH,カルシトニンは再吸収抑制,代謝性アシドーシスや細胞外液増加による排泄促進),④血清Pレベル(PTH,カルシトニン,ビタミンD,ステロイドホルモン,エストロジェンなど),⑤P代謝調節機構(ビタミンD活性化機序への血清P濃度のフィードバック機構)などが関与因子と考えられる.これらの因子の障害により,種々のP代謝異常がみられる(表2).
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