増刊号 診断基準とその使い方
V.内分泌
14.原発性アルドステロン症(アルドステロノーマ,癌)
竹田 亮祐
1
1金沢大学医学部・第2内科
pp.1898-1899
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221938
- 有料閲覧
- 文献概要
■疾患概念と疫学
原発性アルドステロン症は,副腎皮質に生ずるアルドステロン産生腺腫(aldosteronoma)または癌腫(まれ)によるアルドステロン分泌過剰症候群で,内分泌性高血圧症の代表的な疾患である.本症では副腎原発の腫瘍から自律的にアルドステロン分泌が持続するため,ナトリウム貯留により循環血漿量が増大し,"volume hypertension"を来す一方,低カリウム血症,代謝性アルカロージスを呈する.
正常状態では,アルドステロンの生成・分泌は副腎皮質球状層で行われ,アンジオテンシンII,ACTHのほか,未固定の刺激因子とドパミンおそらく心房性ナトリウムペプチド(ANP)などの抑制系の制御を受けていると考えられているが,アルドステロノーマからのアルドステロン分泌調節は正常と少し違った様相を呈する.アルドステロン産生腫瘍のほとんどは小さな腺腫で複数に存在することがあり,まれに両側に見いだされる例がある.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.