増刊号 診断基準とその使い方
II.呼吸器
1.肺癌—新TNM分類を中心に
本間 威
1
,
米田 修一
1
,
吉井 章
1
1埼玉県立がんセンター・呼吸器科
pp.1728-1731
発行日 1988年9月30日
Published Date 1988/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221876
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■肺癌の概念と疫学
肺癌の病理組織像は多彩であるが,発生頻度の高い組織型として扁平上皮癌,腺癌,大細胞癌,小細胞癌が挙げられる.各組織型の差は肺癌の病態とも深く関連し,多彩な臨床像として現れる.
扁平上皮癌は太い気管支とくに亜区域支より中枢に発生する例が多い.まず粘膜上皮の癌化が起こり,気管支内腔に進展する.そのため咳,痰,血痰などの自覚症状で発見されることが多く,X線像は肺炎などの二次性変化としてみられる.
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