今月の主題 肝炎への新しいアプローチ
慢性肝炎へのアプローチ
自己免疫性肝炎の診断と治療
黒木 哲夫
1
,
小林 絢三
1
,
門奈 丈之
2
,
山本 祐夫
3
1大阪市立大学医学部・第3内科
2大阪市立大学医学部・公衆衛生学
3大阪社会医療センター
pp.838-841
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221674
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自己免疫性肝炎の概念は,自己肝細胞を標的抗原とした自己免疫性肝障害であり,慢性肝炎のなかでも特異な位置を占める.その定型例がMack-ayら1)により報告されたルポイド肝炎である.MackayらはLE細胞現象陽性でSLEに類似した症状を示す活動性慢性肝炎をルポイド肝炎,SLEに合併する軽度の肝障害をhepatic lupusと命名して,両者を病因的に異なるものとした.さらにMackayらはその病態を広義に解釈し,LE細胞現象陰性であっても自己抗体陽性で,臨床的に自己免疫性肝障害が強く示唆されるものを自己免疫性肝炎として提唱した.
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