今月の主題 肝炎への新しいアプローチ
肝炎理解のために
肝細胞障害はどうして起こるか
池田 有成
1
,
戸田 剛太郎
1
,
岡 博
1
1東京大学医学部・第1内科
pp.775-777
発行日 1988年5月10日
Published Date 1988/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221655
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
肝細胞の障害機序として,肝炎ウイルスの直接的作用によるという考え方を支持する結果は今までに得られておらず,免疫学的機序による肝細胞障害が考えられるようになった.
Tリンパ球やマクロファージ,NK細胞などによる肝細胞障害あるいは抗体の関与したADCC(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)や免疫複合体による障害などが検討されて来たが,agammaglobulinemiaの患者に慢性肝炎が成立している事実は液性免疫の関与の限界を示している.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.