今月の主題 今日の心不全診療
心不全最近の知見
新しい強心薬
堀 正二
1
,
是恒 之宏
1
,
北畠 顕
1
1大阪大学医学部第1内科
pp.686-688
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221641
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心不全は,心収縮不全に基づく心拍出量低下,種々の代償機転により修飾された末梢循環不全からなる病態である.その治療薬として従来より,①強心薬,②利尿剤,③血管拡張剤が使用されているが,後者の2剤が末梢循環不全の治療を目的としているのに対し,強心薬は心筋に直接作用し,心筋不全の治療を目的とする.
したがって,強心薬は心不全の原因に対する直接の治療薬であるが,一方,不全心筋に対しさらに負荷を強いることから,必ずしも不全心筋に対する根本的治療法とはいえない.この意味で心不全に対する強心薬治療のあり方にも再考の余地があるが,心ポンプ不全の治療には不可欠の薬剤であり,その役割はきわめて大きい.
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