今月の主題 今日の心不全診療
心不全の治療方針
急性心不全
早崎 和也
1
1済生会熊本病院・循環器科
pp.598-601
発行日 1988年4月10日
Published Date 1988/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221612
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
急性左心不全は突然の呼吸困難をきたし,胸部X線上高度の肺うっ血を認める疾患であるが,救急の現場では気管支喘息や肺炎との鑑別が重要である.とくに急性左心不全のため気管支攣縮をきたし喘息様状態になっている場合は気管支喘息と誤診され,ステロイド治療が優先されることが多い.
総合的診断は,①急性左心不全の診断,②その原因となる基礎心疾患の確認,および,③急性左心不全の引き金となった促進因子のチェックをした上でなされねばならない(表1,2).①の診断確定後は心不全の治療を急ぐとともに,③の促進因子の除去,および②の対策を平行して進めていくべきである.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.