今月の主題 免疫不全とAIDS
AIDS
AIDSと医療従事者
牛島 廣治
1,2
1国立予防衛生研究所・外来性ウイルス室
2前:東京厚生年金病院・小児科
pp.2756-2759
発行日 1987年12月10日
Published Date 1987/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221451
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AIDSは歴史上これまでに流行したペスト,梅毒,天然痘に匹敵し医学を越えて社会的な重要な問題とされている.世界で初めて認められた4年後の1985年,わが国でも初めてAIDS患者が報告された.欧米諸国ほどではないが確実に増加している.血清肝炎対策とこれらの国,主として米国のAIDS対策が今後のわが国のAIDS対策に有力な参考になると思われる.
医療従事者とAIDSを考える場合,つぎの2つの項目が考えられる.(1)AIDS感染者に対する医療従事者の対応の仕方,(2)医療従事者のAIDS感染の現状と予防である.前者に関しては,感染経路がいかなる場合でも医療従事者は患者の治療に責任を持たなければならない.他の病気と同様,苦しみ,不安,死の恐怖を持つ患者に尽す心が必要である.ここでは,むしろ後者が主題と考えられる.まず医療従事者のAIDS感染の現状についてのCDC(Centers for Disease Control)のレポートを年を追って述べ,つぎに総括的な報告を,さらにAIDS感染予防に対する留意点について主としてCDCおよび厚生省の通達を参考にして述べてみたい.
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