増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅸ 免疫・アレルギー・膠原病治療薬
200.免疫・アレルギー・膠原病治療薬の最近の進歩
橋本 博史
1
1順天堂大学医学部・内科(膠原病)
pp.2250-2252
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221320
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自己免疫病,アレルギー性疾患,膠原病の分野に含まれる多くの疾患は,原因不明で慢性に経過する.原疾患に対する治療の目標は,病気の進行を抑え長期寛解導入を図ることにあるが,この分野における薬物療法の進歩は,
1)新しい治療薬の開発(シクロスポリン,ブレディニン,ロベンザリット,各種非ステロイド抗炎症剤,化学伝達物質遊離抑制剤など)
2)従来から用いられている薬剤であるが,用法,用量,適応症などを変えることにより原疾患に対する有効性がわかってきた薬剤(パルス療法,シクロフォスファミド,メソトレキセート,D-ペニシラミンなど)
3)副作用を軽減させるために,従来の薬剤の剤型,投与ルートなどを改良した薬剤(非ステロイド抗炎症剤,経口金剤など)
があげられる.これらに含まれるものの中には,原疾患に対する治療薬のみならず,臨床病態に応じて用いられる補助的薬剤(たとえば,高血圧に対するアンギオテンシン変換酵素阻害剤,骨粗鬆症に対する活性型Vit D3,皮膚潰瘍・指趾壊死に対するプロスタグランディン療法,血小板減少症に対するγ-グロブリン大量療法など)なども含まれる.
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