内科診療最前線2007 この1年の動向を踏まえて
アレルギー・リウマチ・膠原病
保田 晋助
1
,
堀田 哲也
,
片岡 浩
,
渥美 達也
,
小池 隆夫
1北海道大学 病態内科学講座・第二内科
キーワード:
Mycophenolic Acid
,
関節リウマチ
,
強皮症-全身性
,
エリテマトーデス-全身性
,
喘息
,
Infliximab
,
Omalizumab
,
気道リモデリング
,
Amphiregulin
Keyword:
Omalizumab
,
Infliximab
,
Arthritis, Rheumatoid
,
Asthma
,
Lupus Erythematosus, Systemic
,
Mycophenolic Acid
,
Scleroderma, Systemic
,
Airway Remodeling
,
Amphiregulin
pp.1066-1073
発行日 2006年12月1日
Published Date 2006/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2007068436
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気管支喘息における気道リモデリングに関わる分子として、amphiregulinが同定された。治療においては抗IgEヒト化抗体であるomalizumabの有効性が確立し、米国の治療ガイドラインに取り入れられた。関節リウマチでは、早期診断のための抗CCP抗体、関節MRIの有用性が明らかとなった。治療に関しては、発症早期症例の寛解導入を目的とした抗TNF療法や、治療抵抗例に対する新たな生物学的製剤の有用性も報告されている。全身性エリテマトーデスでは、TLR9シグナル経路に関する研究が進展し、mycophenolate mofetilなどの新たな免疫抑制療法の有効性が報告された。抗リン脂質抗体症候群では、Val247アレルが疾患の発症と関連することが明らかとなり、p38MAPKを介したシグナル経路の重要性が見出された。強皮症では、病態形成にTNF-α converting enzymeが関与していることが見出され、治療においては自己末梢血幹細胞移植の前向きランダム化試験が欧米で進行中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2006