増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅵ 腎疾患治療薬
透析療法の合併症
167.透析患者における貧血の薬物治療
佐中 孜
1
1東京女子医科大学・第4内科
pp.2166-2167
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221287
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透析患者における貧血の原因として,①エリスロポエチンの欠乏による骨髄造血障害,②尿毒症毒素による骨髄での造血抑制,③赤血球膜の脆弱化による赤血球寿命の短縮,④鉄,葉酸,ビタミンB12などの欠乏,⑤消化管出血,採血による赤血球喪失などがあげられる.
このうち①のエリスロポエチンの欠乏が主因であり,その製剤も開発されている1).しかし,目下のところ臨床治験の段階にあり,原因として列挙されているものに対して,可能な限りきめ細かく対策を立て,それを実行してゆくというのが,現状での最善の治療法ということになろう.
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