増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅵ 腎疾患治療薬
腎不全
164.腎性骨症の薬物治療
相澤 純雄
1
,
川口 良人
1
1東京慈恵会医科大学・第2内科
pp.2158-2160
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221284
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透析療法により長期生存例が増加するとともに,腎性骨症(腎性骨異栄養症;ROD)の合併頻度も増加してくる.透析導入初期では無症状のことが多いが,透析期間の延長とともに,骨痛,関節痛,骨折,異所性石灰化による運動障害などの症状を呈し,日常生活を著しく妨げるようになる.しかも一旦症状が出現すると,その治療は困難をきわめる.それゆえ,可及的に本症の進展,増悪を予防することが治療の主眼となる.このRODの成因には,低カルシウム(Ca)血症により惹起される二次性副甲状腺機能亢進症(2°HPT),および腎臓におけるビタミンD代謝障害による活性型ビタミンD〔1α,25(OH)2D3〕の不足の2大要因がある.近年,本症における特異な病態である活性型ビタミンD治療に抵抗する骨軟化症の原因として,アルミニウム(A1)が注目されている(図).
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