増刊号 これだけは知っておきたい薬の使い方
Ⅱ 神経・筋疾患治療薬
免疫性神経・筋疾患
55.多発筋炎の薬物治療
石合 純夫
1
,
古川 哲雄
1
1東京医科歯科大学・神経内科
pp.1878-1879
発行日 1987年9月30日
Published Date 1987/9/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402221175
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多発筋炎・皮膚筋炎は,骨格筋をびまん性に侵す非化膿性炎症性疾患であり,後者は皮膚病変(眼瞼部のヘリオトロープ疹,胸背部・肩・四肢伸側などの紅斑)を伴う.本症には,種々の細胞性および液性免疫異常が存在することが知られている1).したがって,他の自己免疫疾患と同様に副腎皮質ステロイド剤,免疫抑制剤が治療の中心となり,最近では血漿交換療法も試みられている.
一方,本症と悪性腫瘍の合併はその頻度が高く,とくに中年以後に発症した多発筋炎・皮膚筋炎の場合は,合併率の高い胃,肺,乳腺をはじめとする悪性腫瘍の検索を行うことが必須である.悪性腫瘍が発見された場合は,外科的治療を優先する.
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