Japanese
English
特集 頭痛外来 Headache Clinic
Editorial
頭痛の新分類
New Classification of Headache
坂井 文彦
1
Fumihiko Sakai
1
1北里大学内科
pp.281
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414900393
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Ad Hoc委員会による旧分類の問題点
頭痛の分類としては,1962年Ad Hoc委員会(→1)による分類が使用されてきた.頭痛を痛みの発生機序により分類したもので,片頭痛型血管性頭痛,筋収縮性頭痛,神経痛といったように病態生理にもとづいた明快な分類であった.しかし,頭痛の典型例についての記載はあるが,それぞれの頭痛に対する診断基準のないことから,実際に頭痛の鑑別診断を行う際に様々な問題点を生ずることが指摘されてきた.
前駆症状を伴う片頭痛は原著では"classic migraine"とされているが,"classical migraine"とする論文も多く,邦文訳も,典型的片頭痛とされたり,古典的片頭痛とされたりした.さらに,邦文用語が「片頭痛」なのか「偏頭痛」なのか(→2)についても用語上の混乱がある.片頭痛と筋収縮性頭痛とを併せ持つと定義されたcombined headache (複合頭痛)も診断基準がはっきりせず,ややもすると屑籠診断的に使用されることが少なくない.片頭痛の病態についても,研究の進歩にともない,血管性頭痛とする考えに様々な矛盾のあることが指摘されている.
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